2019年に渋沢栄一の新一万円札をはじめ、津田梅子の新五千円札、北里柴三郎の新千円札、そして新500円玉の導入を発表しました。
そして財務省は、今年1月に新500円硬貨の発行を10月以降に延期すると発表しました。
そもそも、なぜこのキャッシュレス時代に現金である新500円硬貨を発行する必要があるのでしょうか。
結論から申し上げますと、偽造抵抗力強化のためです。
偽造抵抗力というと難しく感じますが、要するに現在よりも偽造されにくくするため、ということですね。
新500円硬貨をなぜ発行させる?
新500硬貨は、偽造されにくくするためということですが、実際年間でどれくらい偽造されているのでしょうか?
警視庁によると、20年に発見された偽造500円硬貨は188枚にのぼることが分かりました。
現在の500円硬貨も、斜めギザをはじめとした多数の偽造防止措置が取られていますが、上記のような偽造硬貨が発見されています。
財務省によると、以下のような変更点があるそうです。
- 素材に新規技術であるバイカラークラッドを導入
- 貨幣の縁に、新たに異形斜めギザを導入
- 貨幣の縁の内側に、新たに微細文字を加工
とのことです。
ちなみに、異形斜めギザは、斜めギザの一部を他のギザと異なる形状にしたもので、なんと通常貨幣としては世界初のものだそうです。
重さは0.1gだけ重くなり、大きさは同じです。
バイカラーというのは2色という意味です。
真ん中が銀色で周りが黄色っぽい色になっています。
そして、この硬貨は3層構造になっているので、クラッドと呼ばれています。
ここで、少し硬貨の歴史を辿ってみたいと思います。
500円硬貨は1982年に登場しました。
それ以前は板倉具視が描かれた500円紙幣でした。
そして2000年に2代目の500円硬貨が誕生して現在に至ります。
2代目硬貨が誕生したときの新鮮さは、今も覚えています。
今回の新硬貨は3代目の500円硬貨ということになりますね。
新しい技術も使われているということで、いまから見るのが楽しみになってきますね。
新硬貨は日本だけ?これからのキャッシュレス時代に逆行では?
昨今のキャッシュレス時代において、新硬貨を発行することは時代に逆行しているのではないかという気がしますよね。
しかし、実は近年では一万円札の流通が増加しているのです。
ちなみに、五千円札や千円札の流通は減少しています。
このことから何が考えられるかというと、タンス預金つまり現金による貯蓄が増加しているということですね。
低金利時代の影響がこのようなところにも現れています。
高金利であれば銀行に預けたりするでしょうが、現在ではATMでの手数料の方が大きいですので納得できます。
国内総生産の現金割合は、アメリカが8%、スウェーデンが1.4%ですが、日本は20%とまだまだ現金の存在感が高いです。
政府は、現在20%程度にとどまるキャッシュレス決済の比率を2025年までに40%に引き上げる目標を掲げています。
キャッシュレスを推進するには一万円札を廃止すべきだとの意見もあがっていたようですが、この新硬貨発行でお金の流れは変わるのでしょうか。
まとめ
今回は、なぜ新500円硬貨が発行されるのかについて調べてきました。
- 新500円硬貨は偽造抵抗力強化のため
- 素材やギザの形状など新しい技術が数多く使われている
- キャッシュレス化の中で現金の流通量が増加している
麻生財務大臣は、「偽造されず、安心感のある通貨の存在は極めて大きい。」と話しています。
ちなみに、現500円硬貨も当然ながら引き続き使用できますのでご安心ください。
キャッシュレス化が推進されていく中で、世界的に現金の保有や消費が減少するという見通しもありますが、その中で新硬貨がどのような使われ方をするのかも注目したいです。
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